2018年12月より、JAL特典航空券(国際線)のルールが大幅改定となる事が突然発表になりました。
今回変更になるのは「JAL国際線特典航空券」のみで、その他のJAL国内線特典航空券・提携航空会社特典航空券は変更になりません。
キャンセル待ちの撤廃、残席に応じて必要マイル数が増減、予約変更が不可になるなど基本的に改悪事項が多く、これまでと全然違う新しいルールに生まれ変わります。
これまでほぼ同じルールを導入してきたANAとJALですが、12月からは2社の間に大きなルールの違いが生まる形になりました。
2018年のJALは「どこかにマイル」に新しい南の島編ができたり、ニュースが多いですね。
今回のルール変更によってANAとJAL、どちらが特典航空券の使い勝手がいいのかは皆さんにもぜひ考えていただきたいのですが、個人的には「ANA有利になる」と捉えています。
一方でJAL陸マイラーにとっては改善事項も含まれていますので、当記事に記載の変更点をしっかり確認して12月のルール改定に備えていきましょう!
※今回のルール改定はファーストクラスには対象外です。現状通りのルールが適用になります。
新制度:JAL特典航空券PLUSの概要
JALは2018年12月から国際線特典航空券において「PLUS」というシステム(制度)を導入します。
6月22日より変更になった発券期限に続いて、JAL特典航空券のルールが次々変更になっています。(参考:JAL特典航空券の発券ルールが変更に!)
PLUSはJAL公式サイトで、以下の通り解説されています。
JAL国際線特典航空券PLUS(以下、PLUS)とは、これまでのJAL国際線特典航空券ではキャンセル待ちになるような場合でも、追加のマイルをいただくことで、特典航空券としてご利用いただけるサービスです。
要はこれまでキャンセル待ちになっていた枠を開放するので「追加のマイルを支払えば」利用できるよ、という新サービス内容です。
これまでよりも特典航空券の枠が広がるので利用できるチャンスが広がって、これまではキャンセル待ちになっていたフライトが利用できるので旅行プランが立てやすくなって、さらに路線によってはこれまでよりも必要マイル数が減少するよとPRしていますが、はっきり言ってこれは建前です。
これからご説明する内容を見る限り、そこまで良くなるとは思えません。
- 未知数:JAL特典航空券PLUS導入
- 未知数:必要マイル数の増減
- 改悪:キャンセル待ち廃止
- 改悪:予約変更不可
- 改悪:有効期限廃止
- 改悪:国際線2→1路線
- 改悪:海外発日本経由不可
- 改悪:ファーストクラス混在不可
- 改善:マイルがあれば予約取りやすくなる
一つ一つ解説して行きます。
①PLUS導入後の必要マイル数一覧
まず、PLUS導入後の必要マイル数についてです。
搭乗クラス別にこれまでキャンセル待ちだった枠を手に入れるためには、どれぐらいのマイルを追加で支払う可能性があるのでしょうか。
まずはエコノミークラスです。
※数値は全て片道。
JALエコノミークラス
エリア | 基本マイル数 | PLUS利用時 |
---|---|---|
韓国 | 7,500 | ~ 34,000 |
アジア1 | 8,500 | ~ 78,000 |
グアム | 10,000 | ~ 59,000 |
アジア2 | 12,000 | ~ 93,000 |
オセアニア | 18,000 | ~ 74,000 |
ロシア | 17,500 | ~ 128,000 |
ヨーロッパ | 23,000 | ~ 141,000 |
ハワイ | 20,000 | ~ 114,000 |
北米 | 25,000 | ~ 135,000 |
韓国 | ソウル、プサン |
---|---|
アジア1 | 広州、上海、台北、大連、高雄、天津、北京、香港、マニラ |
グアム | グアム |
アジア2 | クアラルンプール、ジャカルタ、シンガポール、デリー、ハノイ、バンコク、ホーチミンシティ |
オセアニア | シドニー、メルボルン |
ロシア | モスクワ |
ヨーロッパ | パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、ロンドン |
ハワイ | ホノルル、コナ |
北米 | サンディエゴ、サンフランシスコ、シカゴ、ダラス・フォートワース、ニューヨーク、バンクーバー、ロサンゼルス、ボストン |
ヨーロッパ(パリ・フランクフルト・ヘルシンキ・ロンドン便)はこれまで片道23,000マイルが必要マイルとして設定されていますが、PLUS利用時には最大14.1万マイルまで必要マイルが引き上がる可能性があります。
しかもこれは片道なので往復にすると28.2万マイル、これが一人分です。2名で行く場合には56.4万マイル・・・・。うん、行かない笑。
正直これだけでは判断ができないですね、何枠くらいは最低必要マイル数で確保できるのか、どのぐらいのペースで上がって行くのかが上記の表ではわかりません。
価格によっては1マイル2円の価値で計算してみてみると、通常購入した方がお得になる場合も多いかもしれませんね。
JAL航空券を通常購入する場合には「キャッシュバック」を受けることを忘れずに。JAL公式サイトで購入するよりも安くなります。
続いてプレミアムエコノミークラスです。
JALプレミアムエコノミークラス
エリア | 基本マイル数 | PLUS利用時 |
---|---|---|
韓国 | - | - |
アジア1 | 15,000 | ~ 79,000 |
グアム | - | - |
アジア2 | 25,000 | ~ 94,000 |
オセアニア | 25,000 | ~ 84,000 |
ロシア | 25,000 | ~ 137,000 |
ヨーロッパ | 35,000 | ~ 152,000 |
ハワイ | 30,000 | ~ 123,000 |
北米 | 32,500 | ~ 144,000 |
韓国 | ソウル、プサン |
---|---|
アジア1 | 広州、上海、台北、大連、高雄、天津、北京、香港、マニラ |
グアム | グアム |
アジア2 | クアラルンプール、ジャカルタ、シンガポール、デリー、ハノイ、バンコク、ホーチミンシティ |
オセアニア | シドニー、メルボルン |
ロシア | モスクワ |
ヨーロッパ | パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、ロンドン |
ハワイ | ホノルル、コナ |
北米 | サンディエゴ、サンフランシスコ、シカゴ、ダラス・フォートワース、ニューヨーク、バンクーバー、ロサンゼルス、ボストン |
プレミアムエコノミークラスもどのぐらいのペースでマイル数が上がっていくのかは分かりませんが、エコノミークラスと比較した時にそれほど差がないのでもしかすると・・・
- エコノミー:5万マイル
- プレミアムエコノミークラス:5.5万マイル
というように必要マイル数の逆転現象が起こる可能性は十分にありそうですね。
最後にビジネスクラスです。
JALビジネスクラス
エリア | 基本マイル数 | PLUS利用時 |
---|---|---|
韓国 | 18,000 | ~ 48,000 |
アジア1 | 24,000 | ~ 99,000 |
グアム | 22,500 | ~ 90,000 |
アジア2 | 40,000 | ~ 246,000 |
オセアニア | 40,000 | ~ 181,000 |
ロシア | 40,000 | ~ 261,000 |
ヨーロッパ | 55,000 | ~ 391,000 |
ハワイ | 40,000 | ~ 224,000 |
北米 | 50,000 | ~ 394,000 |
韓国 | ソウル、プサン |
---|---|
アジア1 | 広州、上海、台北、大連、高雄、天津、北京、香港、マニラ |
グアム | グアム |
アジア2 | クアラルンプール、ジャカルタ、シンガポール、デリー、ハノイ、バンコク、ホーチミンシティ |
オセアニア | シドニー、メルボルン |
ロシア | モスクワ |
ヨーロッパ | パリ、フランクフルト、ヘルシンキ、ロンドン |
ハワイ | ホノルル、コナ |
北米 | サンディエゴ、サンフランシスコ、シカゴ、ダラス・フォートワース、ニューヨーク、バンクーバー、ロサンゼルス、ボストン |
ビジネスクラスになると必要マイル数が大きくジャンプアップします。
PLUSの導入によって一番高くなる可能性がある北米(サンフランシスコ・NY・バンクーバーなど)では、通常5万マイル→最大39.4万マイルまでかなりの開きが発生しています。
片道39.4万マイル、往復78.8万マイル、二人で行くと157.6万マイル・・・・無理ですね笑。
誰がこんなにマイル支払って乗るんだって感じですし、そもそもJALマイルもこれほど保有しているのは「陸マイラー」くらいかと思いますので、最大値付近まで引き上がってしまったPLUSは空席があったとしても誰も利用できないということになります。
空席状況に応じて段階的に必要マイル数が引き上がって行きますので、ラッキーな便であれば日程ギリギリまで最低マイル数で確保できる可能性もありますが、基本的には日を追うごとに予約が入ってマイル数が上がることが想定されるので、早めに判断をしていかなければいけません。
ブロガーの視点で見れば○日の×△行きは必要マイルが引き上がってなくてお得!という情報発信も、一定のニーズが生まれそうです。
このPLUSを基本システムとして国際線特典航空券をサービス運用していくので、そぐわないルールについてはこれまでの実績や利便性に関わらず改定がされます。
②キャンセル待ちの廃止
その最たる代表例が「キャンセル待ち」の廃止です。
これまでJAL国際線特典航空券をマイルで取得する際に、自分の希望する日程が満席だった場合にはキャンセル待ちを入れる事が可能となっていました。
しかし12月以降は、これまで空席待ちと表示されていた日程でも「JALマイルさえ多く支払えば」特典航空券の取得が可能となるPLUS導入のため、キャンセル待ちという概念そのものが無くなります。
③予約の変更が不可に
さらに12月以降、これまで特典航空券の目玉特典の一つであった「予約の変更」が出来なくなります。
「日程」「予約クラス」どちらも予約の変更が不可になりますので、直前に仕事の都合がつかなくなったから少し先延ばししようとか、マイルが予想以上に貯まってるからビジネスクラスにしようなんて事が出来なくなります。これは痛い・・・・。
どうしても変更したい場合には「3,100円」のキャンセル料×人数分を支払って再度予約をやり直す事が必要です。
対象特典 | 払い戻し料 |
未使用の特典航空券 | 3,100円(税込) |
しかもPLUSの導入によって直近の変更になればなるほど、必要マイル数は上がっている可能性が高いので、さらに先の日程で抑えなければならない事態が発生します。
これは間違いなく改悪です。
④有効期限が廃止に
- 旧:発行日翌日から1年間
- 新:廃止
予約の変更が不可となることに伴って、これまでは発行日の翌日から1年間までであれば日程を変更する事が可能となっていましたが以後「有効期限」の概念、そのものが廃止になります。
予約変更不可に紐づいていますが、やはり猶予がなくなるという点において改悪です。
⑤国際線が2→1区間制限に
- 旧:国際線2区間、国内線1区間
- 新:国際線1区間、国内線1区間
JALではこれまで一度の同時発券で国際線2区間、国内線1区間が発券可能となっていましたが12月以降は国際線が2→1区間に制限されます。
ただしこれはJAL運行便に限りますので、アメリカン航空・ブリティッシュエアウェイズ・キャセイパシフィック航空などJALと同じアライアンスのワンワールド加盟航空会社を絡めたフライトプランの場合にはこれまでも発券が可能です。
⑥海外発日本経由の同時発券不可に
ではどのような場合に国際線1区間になった悪影響が出てくるかと言うと「海外発券」と呼ばれる特典航空券の発券方法を利用する際です。
海外発券とは例えば「クアラルンプール→東京→サンフランシスコ往復」のように海外の空港を出発して、日本でストップオーバーや乗り継ぎをしたあとに再び別の目的地に渡航するような発券方法の事で、海外在住者を中心に重宝されていました。
なぜなら二つの便に分けて発券するよりも、必要マイル数が少ないからです。
上記の旅程の場合はクアラルンプール→東京、東京→サンフランシスコともにJAL便の運行となっているため国際線の数は「2」となるため12月以降は発券が出来ません。
今後はこのような旅程の場合、別々に予約をする必要が出てくるため、ただでさえPLUSの導入によってこれまでよりも必要マイル数が増加する中で、さらに増える事が想定され利便性は悪化します。
どうしても2路線利用したい場合は「ワンワールド加盟航空会社」や「提携航空会社」便を利用することになりますので、これまでは2便ともJALで行けたところが、今後はどちらか片方は別の航空会社を利用せざるを得ません。
残念ながら改悪です。
⑦旅程にファーストクラス混在不可に
- 旧:混在可能
- 新:混在不可
これまでJAL国際線の特典航空券は「ファーストクラス」「ビジネスクラス」「エコノミークラス」の混在が可能となっていました。
しかし今後は混在が不可となるため、往路はビジネスクラスで帰りはファーストクラスというようなファーストクラスを絡めた旅程の発券が不可となります。
往復ともにファーストクラスで発券するか、ビジネス or エコノミーの組み合わせの二択となりますのでご注意ください。
こちらもわずかではありますが、利便性の観点から改悪項目です。
⑧予約の取りにくさは改善
一方で特典航空券と言えばJAL・ANA共通して「予約の取りにくさ」が再三話題に上がりますが、PLUSの導入によってこれまでよりも特典航空券の枠が多くなって必要マイル数が上昇する事が想定されるので、枠という意味での予約の取りにくさは改善されます。
特に人気路線のホノルルや、ハイシーズンのGW・お盆・年末年始などは予約開始の約1年前から争奪戦が激化していましたので、枠の拡大によって繁忙期にも同一便のチケットを取りやすくなる可能性があります。
もちろん「マイルをこれまでよりも多く払えば」という前提は忘れてはいけませんが・・・。
陸マイラー有利の時代へ
ここまでの改定項目から考察すると、JAL国際線特典航空券PLUSの導入によって利便性を向上する事ができるのは「マイルをたくさん保有している人」ということになります。
マイルさえ持っていれば特典航空券の枠が増え、家族旅行も容易になります。
それも少し人より多く保有しているくらいのレベルでは、ほとんど効果を実感ができません。
エコノミークラスであっても、北米・ヨーロッパに行こうと思った時にPLUSが最大値付近まで引き上がってしまった場合には、往復25万マイル以上、2名で行く場合には50万マイル以上が必要になりますので、何十万という単位でマイルを保有できている方々がその恩恵を受けられることになります。
もちろんどのくらいのペースで最大値まで引き上がって行ってしまうのかと言う点については、実際に運用が始まってみないと分からない部分もありますが、いずれにせよこれまでより必要マイルが多くなる可能性の方が高いと僕は思います。
まだ手元にマイルがない!という方は「陸マイラーデビュー」することをオススメします!
陸マイラーご存知でしょうか?
陸マイラーは、様々な方法を屈指して飛行機に乗らずに大量のマイルを貯めている方々のことです。
詳細については下記記事で詳しく解説していますので、ぜひ騙されたと思ってご一読を。必ず役に立ちますよ!
まとめ
2018年12月から導入予定の、JAL国際線特典航空券「PLUS」についてまとめてきました。
主要な変更点を振り返ってみましょう。
- 未知数:JAL特典航空券PLUS導入
- 未知数:必要マイル数の増減
- 改悪:キャンセル待ち廃止
- 改悪:予約変更不可
- 改悪:有効期限廃止
- 改悪:国際線2→1路線
- 改悪:海外発日本経由不可
- 改悪:ファーストクラス混在不可
- 改善:マイルがあれば予約取りやすくなる
「PLUS」のシステム自体は運用を開始してみないと「どのぐらいのペースでマイル数が引き上がっていくのか」が分からないので、未知数なところもありますが多くの点で改悪となる事が予想されます。
唯一大量にマイルを保有している方が、今回の変更によって恩恵を受ける事ができるようになりそうです。
今回JALから電撃的に変更が発表になって詳細を見てみると、一見改善されるような文言が目立つのでその点については不信感を覚えました。
JALが今までよりも最低マイル数の枠を拡大すればそれは改善と言えますが、最初から「追加でマイルを支払えば・・」と書いてあるのにチャンスが広がりますと言われても、広がったのはチャンスだけで現実的には高すぎて利用できないのではないかと勘ぐってしまいます。
むしろJALにとっては、これまではシーズン単位でしか必要マイル数をいじる事ができませんでしたが、今後はシーズン+1日ごとに設定ができる事が濃厚なので、日程によっては最初から必要マイル数を引き上げておく事も可能だと思います。
それらを考慮しても今回の改定は、利用者にとっては都合の悪い結果となりそうです。
マイラーにできる事はただ一つ、コツコツとマイルを積み上げていくこと、ただそれのみです。
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